梅雨の雨音が窓を叩くこの季節、京都から届いた一包みの茶葉が、私たちの事務所に小さな旅をもたらしてくれました。「いり番茶」その名を知っていても、実際に淹れるのは初めての体験です。
茶葉を湯に委ねること15分。気づけば事務所には、焚き火を思わせるスモーキーな香りが漂い始めました。普段はコーヒーや紅茶の香りが染みついた空間が、一瞬にして京都の山里へと変わるようでした。
カップを口元に近づけると、鼻をくすぐる薫煙の香り。一口含めば、まるで燻製の煙が喉をゆっくりと通り抜けていくような感覚。
「お茶」という言葉から連想する清涼感とは対極にある、野性的な味わいです。賛否が分かれる個性派。それが「いり番茶」の魅力かもしれません。
東京ではなかなか出会えないこの一杯。次に京都を訪れる機会があれば、ぜひ立ち寄ったお茶屋さんで試してみてください。